1.はじめ
こんにちは。シャングリラ(@pokeShangrira) | Twitter)です。今回はシリーズ9ルールのシーズン21において最終153位(レート1872)を達成したエルテラについて紹介させていただきます。今回は構築、個別解説よりも戦術解説の方を重点的に述べていこうと思うのでよろしくお願いします。
2.PT作成経緯
先月(8月)、自分は1カ月半ほどポケモン対戦から遠ざかっていて復帰したのが最終週である8/25と中々に時間が無い状況でした。構築自体は潜れない間も考えていたのでいくつもストックはありましたが実戦経験が0かつ、よりによってルールが約2年ぶりのダイマが無いものだった為環境に順応できるか不安な状況でした。そこで、「今回は時間無いしBO1特化の初見殺し構築で遊ぼう!!」と思いブランクを誤魔化すことにしました。
PTの大まかなコンセプトは決めたので次に初見殺しを仕掛ける対象を決めます。ダイマが無くなって強くなった要素と言えば猫騙し、身代わり等ではないでしょうか。猫騙しは相手にダイマされて無駄打ちさせられることが無くなり、身代わりはその猫騙しを実質的に無効化する手段として価値が上がってきたように感じます。実際実況者の配信を見ていると、の猫騙しで試合の展開をコントロールしながら等の禁止伝説を通す動きがシンプルに強そうだなと思ったので、相手がこれらの技を打ってきた瞬間それを起点にして一気に試合のペースを握れるようにカウンターを仕込むことにしました。・猫騙しを誘いやすく、・猫騙しを相手視点見えない手段で防げて 且つ・猫を打った次のターンに相手を置物にできる。更に・相手の動きを縛った後、それを起点として一気に圧力を掛けて畳み掛けることができる これらの条件を満たす並びは無いかなぁっと探していたらアンコールエルフーン+ファストガードテラキオンが思いついたのでこの2体を軸に構築を組むことにしました。(結局いつも通りでは?)
若干既定路線感が漂いますが実際エルフ―ンはその守る搭載率の低さから猫騙し+αの集中を喰らいやすいですし、そもそも味方殴りによるギミックの並びであるエルテラに対してその始動を阻止する猫騙しは有効な対策方法なのでテラキオン本体のゴリラへの弱さも相まってめちゃくちゃ猫騙しを呼びます。更に過去の剣盾環境において1シーズンも採用技トップ10に入ったことが無いテラキオンのファスガをケアできる人なんて極一部だと予想していいでしょう(そもそもS21でテラキオンは使用率トップ150圏外)。そこで、ゴリラが相手であればファスガで猫を防ぎ襷込みで生存が確定しているエルフでアンコールしてゴリラを置物化、ガエンが相手だとアンコは効きませんが威嚇と猫がある1ターン目以降はエルテラのカモなので叩き+αで攻めに転じやすくなっています。ギミックを始動した後の圧力は言わずもがな、雪崩は相手2体を大きく削りインファイトは等倍相手だったら大体吹っ飛ばします。因みにエルフーンに守るを入れて相手の猫騙しを防ぐのは何も盤面が動かないからダメです(エルフを止める、という相手の目標を達成させてしまっている)。相手が止めようとしたはずのエルフーンが動くことで相手の想定を崩しアドが稼げると考えています。
こうして前衛2体は決まったので次にPTのエースをなる禁止伝説を決めます。エルテラで荒らした後に登場し一気に試合を決めてほしいので求められる要素としては
・範囲打点による圧倒的攻撃性能(単体打点では守る択が絡むのと制圧力に欠ける)
・エルテラが物理アタッカーなので出来れば特殊アタッカー
・相手の上を取って攻撃できる素早さ(エルフーンの追い風が残っているとは限らない)
・簡単に縛られない並み以上の耐久力
が挙げられました。そこで上の条件を満たす禁止伝説として、ジオコンを積むターンは必要になりますがエルテラと積みリレーのような形をとれば何とかると判断しを採用しました。の場合後発のレジエレキとゴリランダーのどっちかはきつくなってしまう点、は良い線行ってるように感じましたがどこから飛んでくるか分からない悪技をケアできる自信が無かったのとジオコン方がより理不尽に感じたので鹿となりました。
次に基本選出の4体目として、及びに対し攻撃防御両方の面から有利を取れる炎タイプが欲しかったので怒りの粉により巨獣斬を3回吸いゼルネテラキのサポートが可能で、テラキに来るゴリスラを筆頭に草、鋼打点に対して受け出しが効き、オーバーヒートにより炎の瞬間打点を持っているを採用しました。ガエンじゃないのは守るにより凌がれる猫騙しより怒りの粉の方がサポートとして使いやすい点と、短期決着を目指すこのPTではサイクルを回すことに長けているガエンの強みがあまり発揮されないと判断した為です。
ここまでのではカイオーガに勝つ気が無い為、あとの2体で対策を考えます。そもそもオーガ構築の場合は追い風とアマ―ジョの女王の威厳によりカイオーガの潮吹きを通す人が多く、先に述べたエルテラのメタの対象外なので専用選出で対応することが求められます。そこで雨潮吹きを耐えてバクアを入れ、後発のゼルネアスのジオコンの起点を作るためのデバフ役としてチョッキと、トルネオーガに有利な電気タイプ且つアマ―ジョの草、氷の範囲に耐性を持つ万能傘を採用しました。
こうして基本選出の4体+オーガメタの2体を合わせた6体が決定しました。
余談
ここまで述べたエルテラとは別にてるチャレでくうはくさんが結果を残していたムゲンダイナのPTの並びを真似して()潜ってもみましたが、猫騙しと威嚇で相手の隙を作りムゲンダイナを通すことを目指すプレイング方針のため試合が長くなりがちだったので最終的には一旦置いておくことにしました。自分じゃどうしても読みと択勝負とを回避できず勝てるっちゃ勝てる(28-10だから悪くはないはず)けど安定するかは微妙だなぁっと思い、最終日に持っていくなのらこちらから勝負を仕掛け、分かりやすい勝ち筋を用意してあるエルテラの方が精神衛生上良いだろうって考えです。来季は猫ループの練習の為に使うかも。
3.個別紹介
エルフーン
持ち物:気合いの襷
特性:悪戯心
性格:臆病
技構成:袋叩き、追い風、挑発、アンコール
努力値:252-0-0-0-4-252
実数値:167-65-105-97-96-184
襷崩しくらいは出来ますが実質ノーウェポンエルフーンみたいなもんです。技構成に関してはコンセプトである袋叩き、猫騙しを使ったなど相手を一瞬にして置物にできるアンコール、ダイジェットが無くなりS操作の手段が乏しくなった現環境で貴重な追い風、トリルを止めたりを始めとするサポート役を黙らせられる挑発の4つとなっています。ムンフォやマジシャを採用していないのは別にエルフで攻撃しなきゃいけない相手も思い浮かばず、殴っても盤面が動く気がしなかったのでそれならばアンコと挑発両採用の妨害特化にしていいだろうという判断です。実際、エルフを最後に残されて負けた試合もありましたがそれ以上にアンコや挑発を活かして相手の場を荒らし回り拾った試合の方が多かったのでノーウェポンで正解だったかと思います。(HPが赤のドータクンに袋叩き4回でとどめ指したりはした)日本晴れをピン刺しすれば対オーガには相当強く出れるようにはなりますが、役割対象がオーガほぼピンポイントになってしまい汎用性に著しく欠けると判断した為結局入れませんでした。
テラキオン
持ち物:リリバの実
特性:正義の心
性格:陽気
技構成:インファイト、岩雪崩、ファストガード、守る
努力値:4-76-204-0-4-220
実数値:167-159-136-×-111-171
調整:
A:+3インファでH199-B136を93.7%で1発(99.4~117.5%)
インファでH155-B70を93.7%で1発(98.7~116.7%)
HB:A222の+1巨獣斬※ダメ138~163(82.6~97.6% と袋叩き(6ダメ)を93.7%で耐え
A194のGFグラススライダーを62.5%で耐え(89.8%~105.3%)
HD:C216の珠ダイマックス砲と袋叩きを68.8%で耐え(85.0%~101.1%)
S:最速抜き
主要な禁止伝説から大体抜群を突かれる聖剣士です。マジで耐性が無いに等しいですが、基本的に上から殴り倒すため気にしたら負けです。基本選出であるのの処理ルートがガモス頼みとなるのは怖いので、対面からザシアンに(悪い乱数or意地個体を引かなければ)勝てる型としました。
こういうエルテラでした。対ザシアン9-4で勝率7割取れてるし伝説の中で1番カモにしてた説ある
— シャングリラ (@pokeShangrira) 2021年9月1日
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Bに厚くした強みとしてゴリラのグラスラも乱数の機嫌と持ち物によっては耐えられるようになった(実際何回かグラスラを耐えて反撃できた)ため最悪ゴリラ前でも動かせるようになっています。
エルテラの役割はゼルネアスの障害をどかすことなので、それを意識してインファで相手1体を倒すか雪崩で相手2体をゼルネのマジシャ圏内に入れるか判断して技選択します。
ダイマが無くなったことにより「エルフーンでテラキオンに袋叩きを打つ」と言う道具を消費せずテラキオンの消耗も最小限であるギミックの手軽さが大きな強みとなっていると感じます。相手のゴリラが猫を打たず最初からグラスラを打ってきた場合は、のAを上げていても躊躇なくに下げ炎の体火傷を狙ったうえですぐにガモスをテラキに戻しながら交換際に袋叩きを打つ と言っためちゃくちゃ強いプレイングが可能となっています。交換即叩きは決まればその瞬間試合が決められる手となるので頭の中に入れておきたいルートです。
@tos 交換叩き
— シャングリラ (@pokeShangrira) 2021年9月4日
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ゼルネアス
持ち物:パワフルハーブ
特性:フェアリーオーラ
性格:控え目
技構成:ムーンフォース、マジカルシャイン、ジオコントロール、守る
努力値:44-0-4-204-28-228
実数値:207-×-116-194-122-148
調整:
HD:C222の雨潮吹確定耐え(82.7~98.1%)
C217の+1珠アストラルビット最高乱数切って耐え (85.0~100.0%)
C:H199-D139を+2ムンフォで99.7%の超高乱数2発 (49.7~58.7%)
S:+1で最速ザシアン抜き
鹿。エルテラで荒らした場に着地して、ジオコンを積みそのまま押し切ってもらいます。ジオコン後の性能はまさに化け物と言うしかなく無降りランドロスくらいならダブルダメのマジシャで吹っ飛ばす凄まじい制圧力を誇ってくれました。調整に関してはPTに威嚇を採用していないこともあり最低限の特殊耐久を確保したうえで、レジエレキにエレキネットを入れられることも考慮してSをがっつり伸ばし残りはCに降りました。後発からの展開が基本なのであまり相手の鹿対策を踏むことはありませんが、ジオコンに後出ししてくるエルフはアンコールしてきますしスイクンは吠えてくるのでエルフの挑発でサポートするなどそれなりの警戒は必要でした。
@tos
— シャングリラ (@pokeShangrira) 2021年9月4日
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ウルガモス
持ち物:オボンの実
特性:炎の体
性格:控え目
技構成:オーバーヒート、熱風、怒りの粉、守る
努力値:244-0-60-164-4-36
実数値:191-×-93-193-126-125
調整:
H:16n-1
HB:A222の巨獣斬をオボン込み2耐え(52.8~62.3%)
C:H207-D91チョッキをオバヒで確定1発(101.4~119.8%)
H199-D139をオバヒで確1 (102.5~121.6%)
H207-D111を晴れオバヒで59.2の乱1 (92.7~109.1%)
S:準速抜き
怒りの粉によりゼルネのサポート及び炎打点による削りを担当します。本当は蝶の舞を入れてウルガモス自身の突破力も上げたかったのですが、相手のザシアンやゴリランダーを早期処理するためのオーバーヒートと範囲削り打点としての熱風が偉すぎたので蝶舞は諦めました。テラキオンとの縦相性が良好なのでそこを意識して結構裏から投げます。
ファイヤー(ガラルの姿)
持ち物:突撃チョッキ
特性:逆上
性格:穏やか
技構成:燃え上がる怒り、バークアウト、イカサマ、エアスラッシュ
努力値:252-0-4-164-68-20
実数値:197-×-111-141-169-113
調整:
H:ぶっぱ
C:H175-D121を燃え上がる怒りで1撃(102.8~123.4%)
HD:C200の眼鏡マジシャ2耐え
C222の雨雫しおふきをバクア込み大体2耐え(50.7~59.8%)+(34.0~41.1%)
圧倒的特殊耐久を活かして黒バドレックスとカイオーガ相手にデバフを入れてもらいます。イカサマの枠は不意打ちと選択ですがどちらも強みがあるので難しい。
ジバコイル
持ち物:万能傘
特性:アナライズ
性格:控え目
技構成:雷、ボルトチェンジ、ラスターカノン、リフレクター
努力値:252-0-0-76-180-0
実数値:177-×-135-176-133-79
調整:
H:ぶっぱ
C:アナライズ雷で無振りが1発
D:余り
対要因その②です。トルネオーガを殴れる電気タイプで、オーガとよく居るアマ―ジョに対しても強く出れるポケモンを探したところよさげに感じたので採用しました。リフレクターはゴリラやアマ―ジョ意識で裏のゼルネアスの耐久補強のために打っておくと後々役に立ちます。突撃チョッキの耐久は欲しかったけど既にガァイヤーに取られてしまったので、対オーガ専用選出であることを踏まえれば万能傘も同じようなもんだろうっと持たせています。ポケモンwikiから引用すると、
-
持たせたポケモンが使用するかみなり・ぼうふうは、晴れ状態で命中率が落ちる効果を無視するが、雨状態で必中する。逆にばんのうがさを持ったポケモンに対して使用されるかみなり・ぼうふうは晴れ状態で命中が50%になるが、雨状態でも回避することができる。命中低下効果は使用者依存、必中効果は対象依存と考えると矛盾が無い。
と言う事で相手の雨暴風はワンチャン避けられてこっちの雷は必中となっています。(実際しおふき暴風集中されたところ暴風避けて生き残った)
4.選出
対追い風カイオーガ、黒バドレックス以外の相手
初手:
後発:
全体の7割近くがこの選出でした。エルテラの対応範囲に関しては信用して大丈夫です。
動きの例として大雑把に上げると
・相手が猫+テラキオンを上からワンパンするポケモン
→ファスガ+追い風、次のターンはテラキが生き残ったら袋叩き+インファor雪崩
・相手が猫+何か(テラキオンをワンパンは出来ないポケモン)
→ファスガ+袋叩き、次のターンはエルフは自由選択+インファor雪崩
・相手が猫+トリルの場合
→ファスガ+挑発、次のターンは袋叩き+インファor雪崩(相手がメンハだったらアンコ)
のようになっていますが、エルフーンの技構成的にめちゃくちゃ選択肢が多いので結構アドリブで動かすことが多いです。先も書きましたが、取り敢えずは「裏のゼルネアスを通す」ことを前提として試合を進めていき、テラキオンは適度に雑に扱います。エルテラで4タテ行ける雰囲気が有ったらそっちに切り替えてください
@tos この後インファでツンデ飛ばした
— シャングリラ (@pokeShangrira) 2021年9月4日
#ポケモン剣盾 #NintendoSwitch pic.twitter.com/3oytifPLAR
対追い風黒バドレックス
初手:+
後発:+選択
キツイです。黒バドに嘶かれた瞬間止まらなくなるのでガァイヤーに頑張ってもらうしかありません。
対追い風カイオーガ
初手:
後発:
先発でデバフを撒き後発ゼルネのジオコンの起点を作る選出です。エルテラよりも相手を倒す意識が薄い選出になっているので鹿の負担が大きくなっていますがゼルネアスなので場を整えたら何とかしてくれます。
5.総括
結局50戦も回していませんが最終2桁順位も狙えて何より使っていて楽しかったのは良かったです。上に書いたコンセプトのエルテラの動きは面白いように決まり、実際猫が多いザシアン軸に対して9-4で7割近い勝率を残しており結果として表れていると思っています(全体勝率が62.5%なのでザシアンを特にカモにしていた)。相手をアンコで置物にした後に勢いあまってエルテラがそのまま4タテすることもあり、伝説環境でもエルテラが戦えることが分かったのは大きな収穫でした。
この記事が今後エルテラを使う人の参考になれば幸いです、ここまでお読みいただきありがとうございました。